救急医療週間②救急車の適正利用

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こんにちは!めばえです😊

 

今週は《救急医療週間》のため、前回に引き続き、救急についてのことを発信していきたいと思います。

 

前回は、鼻血についてをお話しましたが、
今回は、“救急車の適正利用について”をお伝えします。

 

みなさんは今までに、救急車を利用したことがありますか?

どの地域でも、おそらく1日に1回は、救急車のサイレンを耳にすることがあると思いますが、
それぞれの地域の消防隊員(救急隊員)の方は、いつも市民からの要請で、ありとあらゆる現場に駆け付け、救急処置を行いながら、病院搬送を行っています。

どんな事例でも、要請されれば、いち早く現場に急行し、処置を行い、適切な病院を選定し、安全に搬送する。それが、救急隊員です。

私は、救急隊員ではなく、病院で患者様を受け入れる側の仕事をしていますので、
実際に救急の現場に駆け付けたことはありませんが、
どのような現場でも、病院に搬送するまで、いちばんに患者様に寄り添い、状態・情報を正確に病院関係者(医者など)に伝達する、救急隊員の方々には頭があがりません。

いつも市民のために、お疲れ様です!!!

 

ところで、救急車を要請する時ってどんな時でしょうか??

どこかで交通事故があったり、
火災が発生したり、(火災で119番通報すると、消防隊とともに救急隊員も出動します)
目の前で人が倒れたり、
熱中症で動けなくなっていたり、

いろんな場面があると思います。

救急車は、緊急性の高い症状の方に、できるだけ早く救急医療を提供するための、地域の限られた救急資源です。中には、そこまで緊急性が高くない症状のために、救急車を利用する人もいます。その1台、その1分1秒で、救えるはずの命が、救えないこともあります。このようなことが起きないために、救急車の適時・適切な利用が必要になります。

まずは、症状に緊急性がなく、救急車を呼ぶ必要がないケースを紹介します。

例えば、

①「病院に受診したいが、普通に受診すると待ち時間があるので、救急車で行きたい」

②「紙で指を切った。血は止まっているが、心配なので救急車を呼んだ」

などです。

 

①については、
病院の受診に待ち時間はつきものですよね。薬をもらいに来ただけなのに1時間以上待たされた、というクレームも病院関係者には日常茶飯事です。
気持ちは分かります。とくに、体がしんどくて来ているのに、なかなか診察・処置をしてもらえないと、ちゃんと見てくれるのだろうか、自分が蔑ろにされているのではないか、と不安になりますよね。

ですが、だからと言って、救急車を利用すれば、待ち時間なく、簡単に受診できるわけでありません。
ぶっちゃけた話でいうと、救急車で病院に搬送されてから、状態を見て、症状に緊急性がないと判断されれば、通常の診察を待っていただくこともあります。

続けて②についてですが、
救急車を呼ぶ前に、適切な応急処置をすれば、病院に受診しなくてもいい場合があります。
病院に受診しないといけないほどというのは、例えば、数十分圧迫止血をしていても、ダラダラとした出血がとまらない、とか、骨が見えるほど、深く切れている、とか、指が変形している、という状況です。
救急車を呼んでも、病院に着くまで切れた部分を圧迫するだけなので、救急車を呼ぶ必要がないですよね。

今挙げたのは、私が救急外来で遭遇した例ですが、もっと他にも「これで救急車呼ぶ??」ということはたくさんありました。

みなさんに考えていただきたいことは、
その事例で救急車が利用されている間に、他の場所で、もっと救急車を必要としている方が、必要な時に、利用できなくなっている、ということです。
近くの消防署の救急車が出払っていて、別の管轄の分署から救急車を派遣することもあります。そのために、現場への到着が遅れたり、その地域での利用がまた滞ってしまう、という悪循環となります。

もちろん、以下のような場合は、迷わず救急車を呼びましょう!!「119番通報!!!」

◆目の前で倒れた人が、息をしてない!!!
→周りにいるかたの応援を呼んで、すぐさま心肺蘇生法を行います。応援は多ければ多いほうがいいです。人がいない場合は、まずは救急車を呼んでから、救急隊員の指示に従って、心肺蘇生法を行いましょう。

◆急に手足が動きにくくなった。または、呂律が回らない、しゃべることが困難になった。
→脳梗塞の可能性があります。かかりつけの病院があれば、そちらに相談するか、救急車を利用すると、適切な病院へ搬送してくれます。

 

救急車を呼んでいいのか、迷ったときは・・・

 

電話相談(#7119)24時間年中無休で、相談を受け付ける救急相談ダイヤル
救急車を利用していいのか、どこの病院に受診したらいいのか、緊急性があるのかないのか、などを医師や看護師などの専門家が対応してくれます。
状況に合わせて、応急処置の方法などアドバイスもしてくれます。

 

ざっと簡単に、“救急車の適正利用について”をお話させていただきました。

これはあくまで、病院で働く、救急救命士としての私個人の見解ですが、
救急車の適正利用こそが、自分の命を救うことにつながるし、大切な家族や友人の命を救うことにつながると思います。
私たちの暮らす地域の市民のために年中無休で働く救急隊員の方々に、日々感謝をするとともに、
この《救急医療週間》の期間で、救急医療について考える人が少しでも増えることを心から願っています。

堅苦しい話になりましたが、
今日も、めばえ家はみんな元気に過ごしております。

私もあっともてんちゃんも、
救急車を利用する、ということがあったら大変なのですが、もしもの時には、私も医療従事者として、救急車の適正利用を心がけていきたいと思います。

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